- なまし
- I
なまし(連語)〔完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に推量の助動詞「まし」の付いたもの〕(1)…てしまうだろう。 …てしまいそうだ。
「われ女ならば, 同じ兄弟(ハラカラ)なりとも必ず睦び寄り~まし/源氏(若菜上)」「風をだにまちてぞ花の散り~まし/後撰(春下)」
(2)(多く疑問の語を受けて)…てしまおうか。 …したものかしら。「いかさまにせむ, 法師にやなり~まし, 死にやし~まし/宇津保(蔵開下)」
(3)…であったら…することであったろう。「近く寄せ~ましかば, 百千の弓箭ありとも取付なんには叶はずして, 皆殺され~まし/今昔 31」
(4)…すればよかったろう。II「やすらはで寝~ましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな/後拾遺(恋二)」
なまし【生し】(1)なまである。 新鮮である。「長洲の浜に至りて, ~・しき魚を求めて是をすすめ給ふに/著聞2」
(2)未熟である。「信心うすく, 智解の発(オコ)らざる事, 是れ~・しき姿なり/沙石2」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.